教祖殿案内

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天理教の教祖(きょうそ)のお名前は、中山みき様と申し上げますが、私たち天理教の信仰者は、教祖(きょうそ)のことを、親しみを込めて、おやさまとお呼び申し上げ、お慕い申し上げています。

この教祖殿は、そのおやさまがお住まいになっておられる建物です。

正確には、前の方に見えます、大きな襖(ふすま)から向こう側が教祖殿で、私達が座っている場所は御用場といって礼拝場にあたります。

今から約百八十年前、世界中の国々には王様がいて奴隷がいて、身分差別もあって、そこらじゅうで戦争が起こっていました。

日本では、江戸に徳川将軍がいて、各地にも殿様がいた時代です。

おやさまは、そんな江戸時代の真っ只中の天保九年十月二十六日、突如として親神様が中山みき様に入り込まれ、親神様の思召を世界中の人間に伝える、月日のやしろというお立場になられました。

その時、この天理教が始まったのです。

月日のやしろの月日とは、親神様を表す言葉で、やしろとは神様がお鎮(しず)まりになる建物のことです。

つまり、おやさまの御体そのものが、親神様のお社となられたということです。

月日のやしろとなられたおやさまは、疑い深い人間に、懇(ねんご)ろに、且つ大きな親心をもって親神様の御教えを伝え、次々と難儀する人、不自由する人々を救い、お導きになられました。

おやさまは、とにかく神一条、親神様の思召のまにまに、どんなご指示にも、親神様の仰せどおりに、
ご指示通りに従われました。

それが、たとえ『中山家の家財を人に施せ』『貧に落ち切れ』『やしきの母屋を取り払え』『断食をせよ』という、常人では到底理解することができないような御指示でも、忠実に実行されていきました。

ですから、そのご行動を理解することのできない周囲の人々からは、笑われそしられ、気持ち悪がられたり、誹謗中傷もうけられましたが、おやさまは、一切の不満や泣き言も仰せられることなく、ただただ親神様の思召通りに、喜び楽しんでお通りくださいました。

そんな中、おやさまのおたすけにより、目の見えない人が見えるようになり、脚の立たなかった人が立てるようになりました。

そして、瀕死の際にある人でさえも、おやさまのおたすけで命を救われました。

そうして、おやさまはたくさんの人々を救い、どんどんと不思議なたすけを現されていきましたが、その一方で、おやさまは中山家の財産や家財、ご自分達が召し上がられる食べ物や着物に至るまで、惜しげもなく人々に施されていきましたから、おやさまをはじめご家族の皆様は、実に三十年以上にわたって、暖をとる薪や、その日食べる食べ物にも事欠くような、貧のどん底をお通りくださいました。

しかし、おやさまは、一切の不平や泣き言も仰らず、ただただ親神様の思召の通りに、喜び勇んでお通りくださいました。

そのようなおやさまのご存在やお振る舞いは、徐々に人々の心を動かし、多くの人々がおやさまを生き神様と信じ、寄り集うようになってまいりました。

すると今度は、当時の支配者層や権力者から、社会制度や支配体制を揺るがしかねない危険な存在として見られてしまい、おやさまとそのご家族は長年にわたり、世間の誹謗中傷にさらされ、ついには無実の罪にさえ問われて、大変なご苦労の御道中をお通りくださいました。

しかし、そうした中でも、おやさまは、ひるむことなく、昼夜を分かたず、病に苦しむ人や難儀する人々の救済のために、常に御心を砕かれ、お働きくださいました。

そして、明治二十年、今から百三十年前の陰暦正月二十六日、おやさまは人々の陽気ぐらしと、世界たすけを急き込まれて、御年九十歳で、目に見えるお姿をお隠しになられました。

ですから、いま私たちはおやさまの御姿を目にすることはできませんが、おやさまの御心は永遠に、
この元のやしきにおとどまりくださって、今も変わりなく、ご存命のまま、世界中の人々の成人を見守りくださり、お働きくださっているのです。

先ほど、神殿でもお話しましたが、おやさまは、この世と人間の元初まりにおいて、母親の役割をおつとめくださったいざなみのみことの魂のいんねんある御方だとお教え頂いています。

ですから、私たちにとっておやさまは、真実の親であり、おやさまにとって、私たちは可愛い我が子なのです。

おやさまは、いつも私たち子供の帰りを楽しみにお待ち下さっています。

そして、私たちにとっておやさまは、喜びや悲しみを打ち明け、すがることのできるご存在です。

ですから、できるだけ、たくさん、おやさまに顔をお見せできるよう、そして悩みやお話を聞いて頂けるよう、おぢばに帰らせて頂きましょう。

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では、これから皆様とご一緒に、参拝をさせて頂きますが、ここでも先ほどと同じで、まず一礼、続いて四拍手、柏手を四回打ちます。

その後、頭を下げて頂き、この間におやさまにご挨拶や御礼、お願いを申し上げます。

そして、言上が済みましたらお直り頂き、最後に、もう一度四拍手、一礼で終わりです。

この時のおやさまへの言上ですが、

『おやさま、神戸から帰らせて頂きました〇〇〇〇です。只今おぢばに帰らせて頂きました。』

というように申し上げて頂けばよろしいかと思います。

また、何かお願い事やご相談があれば、この後に付け加えてください。それでは、ご一緒に参拝させて頂きます。