外島市太郎 としまいちたろう
出生没年など不詳。
木屋天こと外島市太郎は、三輪村(現、奈良県桜井市)の博徒で、明治19年(1886)8月25日の夜、渡辺四郎、和田直三、山本音次郎ら数名とお屋敷に乱入してきた。
幸い沢山の人が2階で会議をしていたので、すぐに防ぎ止めることができた。
騒ぎを聞きつけた村人たちも、手に手に提灯を持って駆けつけてくれた。
また、顔見知りの平野楢蔵が出てきたので、事もなくとりしずめることができた。
明治20年3月末にも、懐中に6連発のピストルを忍ばせて「今日はちょんまげじじい(本席の意)の命をとってやる」と、やってきたが、またも平野楢蔵に押さえられてすごすごと帰って行った。
後年、病み衰えた木屋天が三島の郡山詰所に平野楢蔵を訪ねて、僅かな金の無心に来たと伝えられている。