第拾壹号 七十八才老女 明治八年六月
むなさきへきびしくつかへきたるなら月日の心せきこみである (11-1)
このさきハ一れつなるにだん/\と みのうちさハりみなつくであろ (11-2)
どのよふなさハりついてもあんぢなよ 月日の心ゑらいをもわく (11-3)
みのうちにさハりついてもめへ/\の 心それ/\みなわけるでな (11-4)
しんぢつにをもう心とめゑ/\の
しやんばかりをふもいゝるとを (11-5)
月日にハどのよな心いるものも
このたびしかとわけてみせるで (11-6)
どのよふな心もしかとみているで 月日このたびみなわけるでな (11-7)
口さきのついしよばかりハいらんもの 心のまこと月日みている (11-8)
これまでもいろ/\はなしといたれど ほんしんぢつがみゑてないので (11-9)
けふの日ハなにのはなしをしたるとも ちがうよふなる事ハゆハねど (11-10)
月日より一どふゆうてをいたなら いつになりてもちがう事なし (11-11)
それしらすそばの心ハたれにても せかいなみなるよふにをもふて (11-12)
このたびのなやむところでとくしんせ みなの心もめゑ/\心も (11-13)
この事をぢうよぢざいハちがハねど みなの心にしよちなけねば (11-14)
一れつにしよちをしたる事ならば 月日うけよてたしかたすける (11-15)
このたすけどふゆう事にをもうかな 三かめへにハそといでるよふ (11-16)
これまでも月日とゆうてだん/\と はなしもといてきたるなれとも (11-17)
まだしんのところハさらにハかるまい このたびどんな事もあらわす (11-18)
はなしでもをなしところでゆうならば なんどにんけん心なるよふ (11-19)
みなのものをもう心ハきのどくや このたびところかへてはなしを (11-20)
これきいていかなものでもとくしんせ 月日ぢうよふみなこのどふり (11-21)
たいないへ月日入こみぢうよふを ゆうていれどもしよちあるまい (11-22)
このさきハせゑいゝバいにたん/\と ことハりたゆへかゝる事なり (11-23)
月日よりあらハれでるとゆうたとて たん/\なにもことわりたゆへ (11-24)
このたびのなやみているをやまいやと をもているのハこれハちがうで (11-25)
こればかりやまいなぞとハをもうなよ 月日ぢうよふしらしたいゆへ (11-26)
なにもかもとのよな事もしらするハ さきのをもわくあるからの事 (11-27)
このはなしどふゆう事てあるならば さきのよろづハ月日ひきうけ (11-28)
月日よりひきうけするとゆうのもな もとのいんねんあるからの事 (11-29)
いんねんもどふゆう事であるならば にんけんはぢめもとのどふぐや (11-30)
このものに月日よろづのしこみする それでめづらしたすけるのや (11-31)
この事わ一寸事やとをもうなよ これハにほんのこふきなるのや (11-32)
あれいんでこらほどなにもすきやかに たすかる事をはやくしりたら (11-33)
それしらずどふどいなさすこのとこで よふぢよさしてをことをもたで (11-34)
こんな事はやくしりたる事ならば せつなみもなししんバいもなし (11-35)
にんけんハあざないものであるからに 月日ゆハれる事をそむいた (11-36)
これからハどんな事でも月日にハ もたれつかねばならん事やで (11-37)
どのよふな事をするにも月日にて もたれていればあふなけハない (11-38)
このよふなけへこふなるのみちすしを しらすにいたがあとのこふくハい (11-39)
このさきハどのよな事をゆハれても 月日ゆハれる事ハそむかん (11-40)
月日よりやしろとなるのむなさきの つかゑてあるをなんとをもうぞ (11-41)
このつかへ人なみなるとをもうなよ 月日の心まことしんわ゛い (11-42)
それしらずみな一れつハめへ/\に わがみしやんでしことばかりを (11-43)
月日にハどのよなみちもみへてある せかいぢううハそれをふもハす (11-44)
このみちをこども一れつしやんせよ どのよなみちがあるやしれんで (11-45)
どのよふな事でもさきへしらしをく あとでこふくハいなきよふにせよ (11-46)
こんな事なにをゆうやとみなのもの をもうであろふこどもかハいゝ (11-47)
せかいぢうをふくの子共むねのうち わかるもよふがこれハないかよ (11-48)
このよふな事をくど/\ゆうのもな みちをあんぢているもよふから (11-49)
これからハとのよな事もゆてきかす これをかならすうそとをもうな (11-50)
このたびの月日のしごとしかときけ あしきのよふな事わせんぞや (11-51)
どふどしてめつらしたすけをしへたさ そこでかゝりたしごとなるぞや (11-52)
いまゝでと心しいかりいれかへて よふきつくめの心なるよふ (11-53)
この心どふしてなるとをもうかな 月日たいない入こんだなら (11-54)
にち/\にひとり心がいさむなり よふきづくめの心なるよふ (11-55)
月日よりにち/\心いさめかけ よふきつくめにしてかゝるでな (11-56)
このはなしなんとをもふてきいている たすけ一ぢよのもよふばかりを (11-57)
月日よりどんな事でもみているで なにをゆうてもみなしよちせよ (11-58)
ことしから七十ねんハふう/\とも やまずよハらすくらす事なら (11-59)
それよりのたのしみなるハあるまいな これをまことにたのしゆんでいよ (11-60)
月日にハいまゝでどこにない事を ばかりゆうぞやしよちしてきけ (11-61)
このよふなない事ばかりゆうけれど さきをみていよみなまことやで (11-62)
なにぶんにめづらし事をするからハ いかなはなしもない事ばかり (11-63)
とのよふにない事ばかりゆうたとて さきをみていよみゑるふしぎや (11-64)
いまなるのなやみているわつらけれど これからさきハ心だのしみ (11-65)
このよふなはなしくと/\ゆうのもな これハまつたいこふきなるのや (11-66)
月日よりこのたびこゝであらハれて とんな事をもはなしするのハ (11-67)
とのよふな事もたん/\しらしたさ にほんのこふきみなこしらゑる (11-68)
このよふのはじまりたしハやまとにて やまべこふりのしよやしきなり (11-69)
そのうちになかやまうぢとゆうやしき にんけんはじめどふくみへるで (11-70)
このどふぐいざなぎいゝといざなみと くにさづちいと月よみとなり (11-71)
月日よりそれをみすましあまくたり なにかよろづをしこむもよふを (11-72)
このところなにをするにもとのよふな 事をするのもみな月日なり (11-73)
とのよふな事をゆうにもみな月日 そばなるものハまねをしてみよ (11-74)
このよふをはじめてからにけふまでハ ほんしんぢつをゆうた事なし (11-75)
けふの日ハどのよな事もしんぢつを ゆハねばならんよふになるから (11-76)
めへ/\になにをゆうとハをもうなよ 月日のをもうよふにゆうのや (11-77)
なんどきにかいりてきてもめへ/\の 心あるとハさらにをもうな (11-78)
どのよふなものもしんからとくしんを さしてかいるでこれをみていよ (11-79)
いかほとのこふてきたるもはつめても月日の心これハかなハん (11-80)
おふでさき 第12号